ひさかたの光のどけき春の日にしずこころなく花の散るらむー紀友則の歌なぜこの歌が突然心を占めたのか? それは、人への思いを思ったからだと思う。 『土佐日記』の作者であり、『古今集』の仮名序を書き、その選者でもあった紀貫之が、従弟であり、共に『古今集』を編んだ友則をなくして、非常につらかったという。...