センター試験の前日
今年のセンター前の私はおかしい。
いつもの年とは違う。
学校現場で高校生を教えていた私が、予備校講師になって、大学受験組になった十数年前を思い出す。
初めての年、私はドキドキだった。
まだ子どもたちは、中学生と小学生。
大学受験を親としてまだ経験したことがなかったから、なおさら、責任の重さを感じていた。
月曜日に授業があった。日曜日の夜に、決まってコーヒーを入れて、単身赴任先に夫を送り出して、それからも考えていた。テレビを観ている夫を遠くに眺めながら、申し訳ない気持ちももちながら、教材研究していたりもした。
センター古文。
日曜日までに、2つずつ問題を作って2セット用意する。どちらが適切か、朝になっても決められなかった。どっちの問題を扱う?
予習も二つ分取り組んでおいて、持って行った。
旧八号線を富山市に向かって車を走らせて、大通りに出て、そして信号を右に曲がる。決まってその信号を曲がったところで決断できた。今日はこの問題・・・。
ついつい予備校に通わせていらっしゃる生徒さんの親御さんの顔が浮かぶ。
立場上、お目にかかったことはないのに・・・。
どんな想いで予備校にやらせておられるのだろう・・・?
そう思ったら、一人一人が大切に思えて仕方がなかった。
娘の誕生日は受験期のさなかにある。
娘のお祝いをしながら、ついつい生徒さんを思う親御さんの気持ちに連帯していく気持ちがあった。
今年の生徒さんの親御さんともたくさんお話をさせていただいてきた。
子煩悩な親御さん・・・。
私がドキドキしているのだから、親御さんはもっとだろう・・・。
落ち着かない想いをしながら、でも、私が心配してはいけない、と思う。
今年、暖冬で、雪が降らないことにちょっと感謝している自分がいる。