大家族って?
受験勉強、本格的季節到来!
みんなが頑張っている。
昨日、センター国語の授業が終わって、ある男子生徒が、「先生、食べますか?」とチョコの箱を差し出したので、私が一粒つまんでいただくと、高三の男子が、てててっとやって来て、当たり前のように一粒つまんでパクリ!先輩の行動に、彼はびっくりしていた。
なんとも微笑ましくて、可笑しかった。
ことさら仲良かったわけでも、二人が話しているのを見たこともないのに、お互い尊敬しあっている仲である。お互い英語の○○、英語の○と言っているくらい、それぞれに英語が得意の高2生と高3生。
高3生の彼は、とんでもない努力家、受験勉強を始めたときは、誰がどう見ても不利な状況だった。
もちろん、櫻井に時折喝を入れられつつ、よくもここまで、というほど頑張ってきた。高2の彼は、もともと英語で鳴らした御仁である。まるで、お互いを認め合うように、エールを送りに来た先輩のようである。
ちなみに、高3の彼と近くにお菓子でも買いに出かけようものなら、「息子さんけ?」と言われる。似ていなくもないらしいが、超美人のママをもつ彼にはいい迷惑だろう。
彼はキャッチャ―であるが、最近、ピッチャーが入って、今、私の目の前でO先生のご指導を受けている。
チョコレートの件を目撃していた女子生徒は、「だから、家族みたい、なんですよ!」と言ってくれた。
なんだか、同じ教室の生徒を、みんながどうも他人だとは思っていない様子で、それぞれが気にし合っている。ライバル、という面も無きにしも非ずであろうが、そばで見ていると、どうも、「それぞれがそれぞれの存在に気付いてますよ。」と言ってるみたいに思える。
先輩に、後輩にあたる子の話をすると、「アイツ、面白いですよね!」なんて、気にかけている様子。
それは、頑張っている先輩に対してであったり、可愛い中学生の後輩にだったり、時折先輩が後輩に勉強法を教えていたりする。
子どもたちが小さい頃、リビングで、たくさんのお友達と、お菓子を食べながら、勉強したり遊んでいたりしているのを眺めて、世話していたのと、あまり感覚的には変わらず、当時と違うことと言えば、自分の専門的な教科を指導しているだけのようである。
もちろん全員、頑張れ!と思っている。
とにかく頑張れ!自分に負けず頑張れ!
11月は、受験生の心が大きく揺れがちな時期である。天候的にも不安定で、生命力が衰えがちな季節だと、お医者様にもお聞きしたことがある。
そろそろ心の揺れを話に来て、模試の成績とにらめっこして、深刻に悩みだす子もいる。長期戦を構えている私たちから見れば、どうってことないことを深刻に受け止めている子も、本当にまだまだ頑張らなくては、という子もいれば、ストレス耐性に強く、「うん、あと○○と○○を頑張れば・・・。」と平常心であろうと、自分の心を平静に保とうと努力している子もいる。
ここが勝負である。
自分の心との闘い。
誰にとっても確実なものは何もないところを、自分で切り拓いていくのが受験である。
自分の心との戦いに勝てるかどうか、それが受験だと思う。
頑張れ!昨日の自分に勝ち続けるように!相手は、昨日の自分。