夏期講習
今日から夏期講習が始まる。
実は、もう、先日から始まっている。
高三化学。化学はなんと3クラスとなった。
T先生の化学の授業、大人気。
私はと言えば、いろいろと準備に忙しい。
もちろん、誰に何を受講していただくか、志望校、受験科目とのバランス。先生方の日程との調整。
ぎりぎりまで、学校のスケジュールに合わせて、みんなが出席できるよう、努力する。
補習、部活、オープンハイスクールにオープンキャンパス。
そうして、失礼かもしれないが、親御さんにできるだけご負担にならないようにとも考える。
なぜなら、皆様が思っているよりも、受講生たちは、ご自分の親御さんの負担を、思い切り気にしているものだから・・・。葛藤しながら受講したって、効果は半減するから、気持ちをスッキリさせて受講していただかなければならない。
それを調整するのも私の仕事。
それを申し訳なく思うのなら、合格して返そう、とか、あなたが充実して頑張ることができたら、親御さんは喜ばれると思うよ、などと、気持ちを宥める。
そうして、腐心してから、親御さんにご相談のご連絡をすると、あっけなくOKで、彼らは、何を言っていたのか?と思うけれど、要するに、親子で両想い?みたいに、十分思いやっているということであろう。
まるで愛し合う男女の、美談のよう。・・・、などといつも思わされる。
などとやっているうちに、時間はどんどん過ぎていく。
理系は何とか時間割を組めたが、文系は、大部分を私が担当することもあって、まだまだ日程調整は続く・・・。
それから、自習室など、生徒さんが使いやすいように、出来れば自分でゴミの分別など、あるいは、何かの交換などができるように、工夫しようとして、今、いろいろ準備している。受験生だからと言って、生活面をおろそかにしないように・・・。日常的な生活を送る際のマナーも学べるように、と願っている。
加えて、周りの皆様方のご厚意で、新しく、教室として使わせていただくことができるようになったので、そこでの準備やら片付けやら掃除なども、みんなでやろうと思っている。センター国語と英語の時間の人口密度があまりにすごくて、歩くこともできない様になってしまったので、使わせていただく施設にも感謝、である。教室でも行事をしたかったが、なかなか難しく、お祭りに、みんなで顔を出して、地域の皆様にごあいさつしようと思っている。感謝を込めて・・・。
そうして意外にも私が夏期講習に臨むにあたって、気を付けること。
それは体調管理と、身なりである。
体調管理は言うまでもない。
過去の経験上、朝のフレッシュジュースは効く。フルーツの酵素がいいらしい。
教室用ミキサーを購入し、毎朝のジュース作りに備えている。
睡眠にも気を付ける。質のいい睡眠を心掛ける。
それから、夏期は大学もお休み。
教室から一歩も出ない仕事になるので、だらしなくならないようにと気を付けている。
しようと思えば、すっぴんでも、家事をしたままの服装でもできてしまう怖さがあって、講習前には、意外に洋服のチェックを気にする。髪型然り。お化粧も然り。そういえば、まだカットに行っていない。
笑えて来るのは、若い頃、学問や仕事が好きで、自分が素敵でいるために?おしゃれをしようとしたことはなかった。
ショートカットにパンツルックで、生活指導の教師よろしく、身動きのしやすい格好をしていた。大学のゼミの先生に、「君ら、高校の教師になって、いい加減な服装で、授業したら、生徒に絶対入らんからな!」と言われていたが、現場に出ると、そんなもん、かまっていられるか!そんな暇あったら、教材研究!と頑張っていて、若い娘が・・・、と伯父に哀れまれたことまであった。
しかし・・・、小学校の校長先生の奥様のアドバイスで、服装は、意外に学習意欲に効果があるよ!という話を聴いて、実践してみたら、実際に効果があって、びっくりした。
その変身たるや、髪をロングにし、ウェーブを掛け、なんとフリフリのブラウスにフレアーのスカート。
一年目の写真と三年目の写真では明らかに違う。
そうしたら、か、それともただただ私に、「教師としての実力」がついただけなのか、そりゃあ、指導効果の上がること!
ひどいときにはここは締めたろう!というときに、バシッとスーツで授業する。
たかだか小さな教室での授業であっても。
大学には、厳重にスーツで行く。
実力ない分、外見で勝負!などと、ちょっぴり謙虚ぶったりして・・・。
しかし、先日は、疲れていたので、さすがにパンプスはきつく、サンダルにさせていただいた。
あー、楽だった!
大学での今年初の授業の前日、コーヒー屋さんで、ハンカチを買った。明日から大学で授業です。締まった雰囲気を出さなければ、ということで、硬めの感じのハンカチを購入。仲良くなったおばさまと話していたら、小物にまで演出、とばかりに、「仕事に厳しいわねえ。」と笑われた。いや、呆れられた。
立派な先輩方をもつと、いつまでも、どこかでなんかチェックを入れられているような・・・。
初任校では、いろいろ教えていただいた。
私は、今、伝統的に、精神的な面を重視する、その学校で、人生初めての仕事をさせていただいたことに、心から感謝している。
それにしても、毎年、講習時、私は生徒募集をしたことがないのであるけれど、自然に集まってくださる。
実はありがたいのだけれど、先日、T先生に、「先生方が協力してくださってよかったです。」と感謝の言葉を言ったら、とんでもない返答が返ってきて、私はいまだにぶちぶち言っている。そばで聞いていた生徒の笑うこと笑うこと!
そうです。我らは予備校講師。
張り合ってなんぼ。ちくちく言い合ってなんぼ。
O先生なんて、「私ら、お互い張り合ってるやんねえ?」と言うと、「ええ、もちろん!」と言われて、私は満足、講師同士が、この教科は、誰にも負けない。負けたら悔しい!と思えなくなったら、おしまい。
まあ、私は人とより、自分と競争しているようなところはあるけれど・・・。
それにしても、予備校講師は一人一人がエースピッチャーだと思う。
私もエースピッチャーでいたい。
でも、今はキャッチャーもしなければならない。
この夏、ピッチャー、キャッチャ―を通さなければならない。
でも、絶対、ほかの先生方に、ピッチャーとしても負けてはいられない・・・。
と言いつつ、みんな仲良しなんだけれど、教科指導だけは、誰が誰に負けてもいけないのである。
生徒の皆様に、如何に私たちが、熾烈な戦いをしているかをお見せしよう・・・、などと柄にもなく、カッコつけたりして・・・。笑