女源氏って!?
似ても似つかぬ美女であるが・・・。しかし、私は美女ではないが、最近、「女源氏」だとの噂が出てきている。
先日、大学の授業があって(今日もこの後、出校であるが。)、ほかの授業と重なって、どうしてもそちらの授業に出席しなければならない学生がいて、半分ほどの人数だった。それでも結構楽しく授業をしてきた。
もちろん、件のスタバに寄り、やはり例の予備校生がいて、熱心に勉強している、その近くで、別にどうということもなく、私も予習をし、ついでに、お隣のお花屋さんで、教室の植栽用のお花を選んで、てってって、といくつかの仕事を済ませた。
よくある話だけれど、何かお買い物をするとき、自分が選ぼうとしていたものよりも、「こっちの方がいいわよ!」と値段的にお得な法を勧めてくださったりする。結局、自分が思っていたよりもおしゃれで、長持ちしそうなお花をたくさんアレンジしていただいて、いろいろお話もお聴きし、なかなかにシックな組み合わせになった。そうして、昨日も、植栽用の、土の再生利用に必要なものや、肥料を買いに行くと、やはりお得なものをお薦めいただいて、世の中どうなっているのかしらん?と思って、感謝をしていた。
ところで、大学の授業・・・。
講義が終わって、駐車場に行くと、出席していなかった学生がいて、「アッ!」と思わず指差ししてしまった。
彼は、手を合わせて、「すみません・・・。」と悪びれた様子。
私は、「わかっとるよ!」
そうしたら、周りの学生が、「先生、こいつ、何の授業、さぼったんですか!騙されたらダメですよ!」と言われてみたら、周りの学生はスーツ姿なのに、その学生は、私服である。頭に?が飛ぶ。だって、もう一つの授業に出席するには、スーツ着用が原則である。おかしい・・・。
「なんで・・・?」と言うと、「これからバイトなんです!」と言って、消えていなくなった。
えええ?
と思っていると、ハンガーに掛けたスーツを、車から取ってきて、私に、ほら、と見せに来た。ちゃんとネクタイまで付いている。
「うんうん。」と納得。
「来週は出ますから・・・。」と言う彼に、「先生、信じるんですか?」と言う周りの学生。
「信じとるよー。」と言うと、本人は、「俺、愛されてるから!」と胸をたたいている・・・。
はーっ!?
これなのである。これ、これ。
教室に帰って、考えた。
どうも、生徒たちは、自分が一番愛されている、と思っている節もないわけでもない。
かつて、センター試験国語で、『源氏物語』が出題され、私は思い切り腹を立てた。
だって、こんな王道中の王道的作品は、はずす、というのが、今までお決まりだったではないか・・・。
櫻井先生がご立腹で・・・、と言われた出題であった。
が、しかし・・・。
その文章は、お気に入り。
源氏の息子の堅物「夕霧」が、柄にもなく、しかも幼馴染の雲居の雁とようやく結婚した挙句、ゴロゴロ子供がいるのに、とうとう浮気をしてしまう。浮気ったって、一夫多妻制の時代であるから、少々雲居の雁ちゃんが、気が強く、かつての頭中将であった父上もやかましい人で、大事になりがちなわけだけれど、とりあえず、正妻からは、「わたくし実家に帰らせていただきます!」となり、浮気相手には、嫌われて、「こんな面倒くさいこと、誰がすんねん!」と懲り懲りしている場面なのであるが・・・。
私は、この夕霧に、とっても若い男性(かなり好みであるが。かつてかなりラブラブであった。)が、結婚したら、こんな風になるのではないか?と想像してしまって吹き出した、という話をしてしまったのである。しかも、夕霧が、こんな面倒くさいこと、と思っていることを、「あんたの父親は大好きやんか!」と、ツッコミを入れている、という話を生徒にしていた。この親と、この子?きっとお母さまの葵の上に似ていらっしゃるのね?と思っていたのだが、なんだか不器用な夕霧がかわいらしく・・・。
ついでに、お父ちゃんの源氏はなー、と話してしまった。
あれだけラブハントが大好きな源氏だけれど、相手になった女人たちは、誰も源氏を嫌いにならないし、一度関係をもった女性たちを、終生面倒見ていたのよ。しかも、一人の女性と向き合っているときは、あなただけを愛しています、という態度だし、また、それが、その時点では、ウソではないところが源氏なのよ・・・、と話したら、生徒の一人が、「先生やん!」と言い出した!
ええっ、ええっ、ええっ!?
古文に出てくる男たちに、私は、いつも、「あんたら、ようそんな面倒くさいこと(恋)にばっかり気を取られて、暇やなー。仕事してよ、仕事!あんたが、そこでそういうことするから、話がややこしくなるねんやんか!」というツッコミを入れている人間なのである。個人的には、漢文に出てくる気概のある男気のある男性が大好き。
その私が、源氏?源氏は好みと違うねんけど・・・。
で、気がついたのである。
私は、人と話すとき、確かに、その人と話すことしか、その内容のことしか考えていない。そうして、その内容について、解決にもっていく方法しか。仮に次の用事が時間的に押していても、あらかじめ、何時に何がありますから、それまでになりますが、とお断りするか、あるいは、その次の用事を変更できるときは変更してでも、何とかしようとしてしまう。確かに、源氏の女性に対する態度と似ているかもしれない。ただ、それが、「恋する異性」ではないだけで・・・。
だから、「俺、愛されてるから・・・。」という表現や、それに近い表現がよく出てくる。女の子なら、可愛がってもらってるから、なんて。
かつて、相思相愛の仲、と言われたK君が、高1になって、初めて(薄情者め!)制服姿で教室に来てくれた。お母さま公認?の仲なので、嫌がるK君の腕に手を回し、二人でツーショット!明らかにK君は身を反らしている。ハハハ。
ついでに、えらく数学ができるというので、(国語はひどいらしい・・・。)、感謝しているということなので、担当していたM先生も呼んで、お母さまと三人で、しばしのティータイムで、同窓会をしてもらった。私はその間、下で授業をしていた。
勝手に盛り上がっておられて、ときどきすっごく楽しそうな声が聞こえてくる。ドタバタしていたりもして・・・。私が授業をしているというのに・・・。まあ、ええけど。Kくんが取られるわけでもないし、お母さまと私の仲も大丈夫やし・・・、と野放しにしておいた。
アホなこと言ってたなあ・・・。
高校合格したら、ウクライナの愛のトンネルに行こう!なんて!(今行ったら、めちゃくちゃ危ないやろ!)
お母さまもお母さまで、私とソフトクリーム食べた、というその日に、「女の人には、おごるものでおごられたらダメやよ、って言ってたんです!」とおっしゃって、次の指導には、彼は500円玉をもってきて、ソフトクリームをおごると指令があった、と私に語った。もちろん辞退したけど。
なんのかんの言って、彼は合格した。
そうして、相思相愛の私たちは、同じ富山県内に住みながら、半年も会わない・・・。確かに彼の進学先は遠いけどさあ。ハハハ。
ちなみに、M氏は自称カサノバ。私は他称、女源氏・・・。
さあて、どちらが信ぴょう性ありますかしらん?
いやー、一番モテるのは、やはりO先生でしょう。女子生徒にも男子生徒からも人気あるもんねっ!