Kさんからの電話
新しい仕事のプロデューサー兼コンサルタントのKさんからのお電話があった。
大阪に住んでいる人である。
ちょっぴり楽しいことをお願いした。
かつてから、しようと思っていたけれど、この一年、それどころではなかったし、それにまだなんとなくその時期が来ていないと思って、延期していたことが、もしかしたら実現するかもしれない。
そうできる自分になってから、実行しようと思っていて、まだまだその時期が来ていないなあ、なんて思っていた。ちょっと、踏み出してもいいかなあ、と思い始めたことである。
何でも時期があることだなあと思う。
最近、やたらと高校時代を思い出す。
高1、高2と、吹奏楽部での活動に明け暮れた。下手なくせに。そうして、好きではない人たちを、なんとか好きになろうと努力していた。今思えば嫌いだった。嫌う自分が嫌いだったのだと思う。要するにいい子でいたかった。
ただ、人に感情的な態度をとるタイプではなかったので、嫌っていることは、悟られていなかったのかもしれない。いやいや、演奏会の打ち上げで、ファミレスにいったとき、友だちに注意されるほど、しぐさに一瞬出てしまって、叱られた。
それから、阪急電車で、駅で、ラッシュ時に人を押し込むバイトをしていらっしゃるその人を、反対のホームで見かけたとき、私は挨拶できなかった。理屈で言うと、私が悪いのだけれど、どうしても好きになれなかった。認めてほしかったけれど、最後まで認めてもらえなかったなあ。だから、声楽でも、鍵盤楽器でもいいから、何か一つ音楽で、これ、というものをもちたいと思い続けてきたのかもしれない。
高3になって、高校生活は、思い切り楽になった、という話を生徒たちによくする。
なんだか、部活は、仕事のようで、責任感だけで残っていたようなところがあった。
高3になったら、勉強だけ。それまで、合わない、と思っていた高校が、突然楽しい場所になった。
なんのために、部活していたのだろう?
別にたくさんの人とうまくやっていかなければいけないわけでもないのになあ、なんて思う。
おとなしく、文芸部、とか、合っていたような気がする。
でも、その後、何とか教師としてやってこれたのは、そうして、あんまりしゃべれないほうだったのに、何とか人前でしゃべることができるようになったのは、あの頃があったからだと思う。
ある意味、人間関係的には楽だったけれど、高3になって、こんなに楽なところだったのだと思った。
でも、あの時代、尊敬していたのは、一人だけだったかもしれないなあ、と思う。
私は、やはり、強い人が好きである。外側が強い人ではなくて、内に秘めた、芯の強さ。強さを誇るような強さではなく、一つのことをやり遂げていくような、自分をライバルとするような、使命に生きるような強さが好きなのだと思う。
なんだか、ちょっぴり複雑な想いもしていた最近、コンサルタントさんのお電話は、使命に生きる人の存在を思い出させてくれて、そうして、仕事を進めていく勇気をくれたようである。