逆境?順境?

漢文ではよく登場する逆境と順境。思いっきり悪いときと、良いとき。
今、手元にないので、本当の表現はわからないが、やはり『働き方』から、「順境の時は感謝しなさい。でも、逆境なら、もっと感謝しなさい。」この言葉は本当にピンとくる。
大体において、良いときは、努力する過程で、向上しようとしている自分が、一瞬ホッとでき、次へのステップに進むための、一時のオアシスみたいなもので、大体順境からより、逆境からのほうが学べるものが多いに決まっている。
どうすれば、この状況を変えられるか、すべては自分の心構えによっている。方法論なんてない。どうしたら、うまく育つか、どうすれば成績が伸びるか、そんな方法があったら教えてほしい。いや、教えて何てほしくない。一人一人個性が違う生徒さんと向き合い、一人一人が問題を差し出してくる、そのことに対応していることが楽しいのである。どうすれば伸びるかな?今の問題の原因は何だろう?頭を悩ませ、あれこれ工夫し、その生徒さんと真剣に向き合っている過程が楽しい。そうして、その過程の連続こそが、いわゆる結果に結びつくのである。
大阪商人の「勉強させてもらいます。」という言葉。いかに安く、いい製品を作れるかを、勉強させていただきます、という言葉。実は、安くします、ではなく、商売人として、勉強させていただきます、という言葉である。
さしずめ、私なら、いかに伸ばせるか、一人一人に合わせて、勉強させていただきます、ということになるだろう。
学生時代に、いろんな制約の中で、学生は勉強する。
経済的に決して平等なんかではない。その、自分が与えられた環境的なものを、どれだけ自分を成長させる肥やしにできるか、それは自分自身の心に掛かっている。
思えば、苦労した時が一番の思い出になっている。
生徒に、いわゆる逆境、と思われることが降りかかったとき、思わず胸を痛めて悲しい想いに沈みそうになる自分に気付く。心に寄り添うことは大切である。でも、私の立場は、そこで終わっていいはずはない。同情したり、かわいそうだと思うなんて、正直失礼極まりないと思う。よりよい未来のためにサポートし続けること、決して同情するのではなく、乗り越えてくれると信頼することが大切だと思う。大体、とんでもなく大きな器の人で、それなりの仕事をしている人には、必ずと言っていいほど、ものすごくい大きな逆境を乗り越えた過去があるものだ。起こることの大きさが、その人の大きさを測る、バロメーターかもしれない。
そう、私はいつも生徒を信頼している。絶対乗り越えてくれると信頼している。
逆境こそが、より良い人生を歩んでいくための、恩恵の種であることを信じている。頑張れ!