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『働き方』


土日は、いろいろ仕事があった。日曜日の夕方、所用を済ませた帰りに、本屋さんに寄った。

そこで、久しぶりに、気に入った本を買った。

稲森和夫著『働き方』である。

二年前、教室を開いて、何でもいいから経営の勉強をしなくちゃ、と手に取ったのが、稲盛さんの『生き方』だった。

それまでは、正直、経営書に親しみを持てるはずもなく、書店で、お名前やお写真を拝見しても、別世界の本、だった。しかし、読んで感銘を受け、それからは、何度も何度も読み返すようになった。

いろいろな本は読んでいるのだけれど、いつも一番ピンと来るのは、稲盛さんの本である。自分の想いと重なることを、言葉にしていただいているようで、いつも元気が出てくる。これでいいんだ、とも思えてくる。

経営、というより、生き方、とか、働くことの意味において、と言ったほうが近いような気がする。

たった一冊の本が人生を変えることがある、とはよく言ったもので、私には、自分に影響を与えてくれた本があまりにもたくさんあると思う。それはそれで非常に幸せなことだと思えるのである。

表現自体は平易である。しかし、そこには人が生きていくことの真髄があるような気がする。

働くことからくる、人格陶冶の意味。なかなかそんなこと教えてくれる人はいないけれど、私自身、仕事からどれほど多くのものをいただいてきたかと思う。お金だけでは絶対にない。仕事があるからこそ、悩み、苦しみ、それを乗り越え続けることで、自分自身を鍛えてきたと思う。

合う、合わない、なんて、本当にどうでもいいことのような気がする。与えられた場所で、与えられた環境で、精一杯やってみる。それでもだめなら、次の段階に行けばいい。ただ、仕事は、とにかく自分を鍛えてくれる。

一番、素敵だったのは、率直に学歴的なことも書かれていて、それは、理系だから、あちこちに出ては来るのだけれど、ある工場で働いている、中卒の社員さんの話である。ただもう、愚直に、まじめに働くことだけが取り柄のような人だった、とのことだ。何十年経って、再会したときには、立派な風格で、リーダーの器を備えた、素晴らしい人物になっていた、とあった。どれほどの困難を乗り越え、自分と闘って、仕事によって、素晴らしい人格を備えることになられたのだろう。

私も、いろんな人と出会ってきたけれど、何かを頼りに、何かを判断できる、というものはないと思ってきた。経験的に。ただただ、一人一人が、どんな努力をしているか、だけがすべてのような気がする。努力が、その人を作る。だから、何を言ったかではなく、何をしたか、を人は見ている。また、何を言ったかではその人というものは判断できない、何をしたかで判断できるのだ、と聞いたことがあるが、それを教えてくれる内容だった。

 
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