ちょっと!
最近、おかしなことが続いている。
一昨日、高3のYちゃんに古典を教えていた。それも、『方丈記』。
私は『徒然草』派、だと信じていた。
よく、『徒然草』が好きか、『方丈記』が好きか?と意見が分かれたりするけれど、それは、国文学の世界では、よくある好みの違いの一つではあるのだけれど、Yちゃんに、「あんまり得意と違うねんけど・・・。」と言いながら、一緒に『方丈記』を読んでいるうちに、またまたいつもの病気が出て、「うまいなあー。すごいなあー。やっぱりうまいわ!」とその表現のうまさに呆れ驚いてしまった。何度か読んだことがあるのに、それは年のせいだろうか?対句の構成のうまさから、表現技法の隅々まで神経を届かせたその鋭敏な感覚に、また、兼好法師とは違う感性に、とりつかれたようになってしまった。
Yちゃんの理解度に助けられて、M先生でもいける、と判断した私。やむにやまれぬ用事ができた私は、次回に、と言うのを止めて、M先生に指導をお願いしてみたら、下で、面談している私の耳に、二人の大笑いの声が聞こえてくる。えらい楽しそうである。Yちゃんは、さすが芸術家、漫画家、感性が鋭くて、めちゃくちゃ頭がいい。国語のセンスは抜群である。彼女のセンスに助けられて、M先生でもいけると判断したものの、ちょっとはたじろいでくれるかなあ?なんて、ちょっぴり面白がっていたのに、余裕で、二人で『方丈記』?
後でチェックしてみると、彼女はしっかり課題のプリントを仕上げていた。その出来栄えも素晴らしかった!
お二人に聞いてみると、どうも芸術家同士の感性が、M先生によると、「化学反応を起こした」らしく、M先生の書き込みには、文法的には、ちょっと、というところがないわけではないにしろ、その解釈は、国文科の私を唸らせるもので、思わず岩波の古典体系の『方丈記』がないか、本屋さんまで走ったが(あったら、その晩は眠れなかっただろう。)、なんとシャッターが降りていた。後日拝見したら、在庫がないようだから、別ルートで入手することになるだろう。でも、『方丈記』と出会った気分である。
偶然の出会い、ってあると思う。
それにしても、やられちゃったなあ。
私のYちゃんを返して!とYちゃんの腕にすがる私。
すっかり仲良くなって、M先生に言わせると、彼女の感性は・・・、だそうで、私のお気に入りの漫画家Yちゃんだけは取らないで・・・、K(高3男子)は、別にいいけど・・・、などと訳の分からないことを言い出す私・・・。
でも、こういう偶然ってあって、得意科目、専門分野こだわっていると見えてこないものと、出会うことがある。
先日の、私と物理のように。
何でもやってみる、行動してみるって、いいことだと思う。
それにしても、ひるまずにチャレンジしてくださったM先生のおかげで、新しい局面が見えた。
Mちゃんも、頼りにできる人が一人増えて、嬉しそうである。
本当に本当に楽しそうだったなあ!