明日
いじめっ子のイメージしかない、O先生と共通の知り合い、K先生が亡くなったことを知った日が、3年前の明日だった。ひょんなことで知って、予備校で1時間目の講義を終えた後、その後の指導と次の日、とても指導ができる状態ではなくなって、私はしばらくどうしようもなくなった。別に失恋したわけでもないのに、髪を切った。生徒たちからは笑われるような姿になって、でも心を切り換えたくて、とりあえず短くしたが、すぐ伸びた。
ほんといじめっ子のイメージ。K先生と同じ教科のA先生と図書館でお会いして、バルコニーでお話ししていて、K先生の噂話になったとき、どうして、あんないじめっ子が、私はいじめられないのかわからない、と言っていて、「なんか勧善懲悪みたいなとこあるよね?」と話すと、「えっ、そうですかー!?」と言うから、本音のところ、「その勧善の善を好にして、懲悪の悪を嫌にしたら、合うかもしれないね!」と言ったら、「それ、うまいですねー!」なんて言われて、「先生と会って、話したこと、K先生にメールしてもいいですか?」と言うから、それはやめてちょうだい!と言ってたけど、せめて話題に上っているくらいのこと、知らせてもらいたかったなあって思っている。
なんで、あんなによくしてくださったのかわからない。立ててもくれたし、知らないところで、助けてもくれていた。みんなの前で、ほめてもくれた。私に嫌なことした人をからかって、味方ですよー!みたいなフリもしてくれた。
最近夢によく出てくる。
ピンクのストライプのシャツに、ベージュのパンツをはいて、で、いつも嬉しそうに笑っていて、すごく元気そう。いつもなぜか横向きで、なんかかんかしゃべっている。
夢占いでは、いいことがある吉兆なのだそうで、O先生に話したら、先生のこと気にされてるんですかねえ、なんて言ってくださる。
もしかしたら、たくさんの素敵な出会いをもたらしてくださってるのかなあ、なんて思う。見守ってはくださっているのだろう。そう、お姉さんを気にするみたいに。
実は、たぶん先生が亡くなる直前の頃、仕事から帰って、ガレージに車を停めて、車から降りた途端、私の真上から、大きな大きな蛍が下りてきて、そのまま、スーッと飛んで行ったことがあった。少し田園地帯もあるけど、基本的に住宅街のこんな場所で?と思った。大きな大きな蛍で、びっくりしたけれど、全然嫌な感じではなくて、むしろ生命力ありげな雰囲気の蛍だった。
それから、たくさんのいいことを運んできてくださってるような気がする。会いたい。そして、いっぱいいっぱいお礼が言いたい。
ある人に言われた。あなたが幸せであることが、死んだ人にって、何より嬉しいことなんだよって。だから、毎日ごきげんさんで、生きていこう。