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学問の街


これは、京都国際会館の近くのカフェです。

 秋に旅行に行ったとき、別に何の理由もなく、国際会館の近くに宿を取り、なんだかとってもリッチなお部屋に格安で泊まることができました。ホテルの方に、「いい部屋だったでしょう?」と言われる始末。

 4月に、国際会館で、学会があるそうで、なんだか有名でなじみのある方々のお名前がズラリ。(その昔、ある方に、国際会議場で、私の専門にしている近世日本文学の講演があるから、行きませんか?と言われて、「この人、なんか私が優秀な人やと勘違いしてはるのんと違うやろか?」と、不思議に思って、お断りしましたが、いまだに行ったことはありません。) 若かりし頃、ご一緒したことのある方や、今ご活躍の大学の先輩や、高校の同窓生、それに、あの、ノーベル賞を受賞された、Y先生、そして、私の愛読書の著者である経営者としてとんでもなくすごい、あのI 氏までいらっしゃるなんて、なんだか不思議な気分になりましたが、私は、ただの観光でした。気楽なものです。ただただ、4月には、ここににいらっしゃるの?と本当に不思議な感じでした。(あまりにすごい方々で、お名前を書く気にさえなれません。)

 大学時代、京都に通っていました。大阪しか知らない私は、当然のように大阪の大学に進学するつもりでしたが、本当にひょんなことから、京都に通うことになり、そしてその後、京都が大好きになりました。

 京都は学問の街です。もちろんほどほどに遊ぶところもあります。落ち着いていて、勉強するのに、本当に良い環境です。保守的でもありますが、革新的でもあり、京都で、学生時代を過ごせたのは、とてもラッキーだったと思います。デートコースもたくさん。若い頃に過ごすのに、こんな素敵なところがあるかしら?若いときには、たくさん勉強して、たくさん遊んで、恋愛もして、友情を育んで、それからの人生を支えてくれるたくさんのことを経験すればいいと思います。

 ところで、京都に進学組もいますが、大阪に進学組は、京都に送り出すのより、なんだか心配になるときがあります。

 かつて、すごく優秀な生徒さんが、大阪の大学に進学することになりました。合格して、ご挨拶に来てくれた時に、まず心配したのは、「下宿、どこにしたん?」。場所を聞いて、まあその辺やったら、安心かもね。街には遠いし・・・、などと考えてしまう始末。故郷の大阪を信じていないわけではありませんが・・・。で、彼は彼で、私を呼び出して、「先生、大阪の人ってみんな先生みたいに、しゃべれるんですか?」と訊くのです。私、「あんた、しゃべれるかどうかが心配なん?」彼、「俺、ついていけるか心配で・・・。」勉強ではなく、そっちの心配?と可笑しくて、可愛くなりました。

 大丈夫、私は、典型的大阪人ではないのよ、高校時代も、教員時代も、ほんまに大阪人?と言われるほど大阪人に見えなかったし、むしろしゃべるのは苦手だったし、教員だったから、しゃべらなければならなくなったんやし・・・。慣れるもんやよ、と話しました。人間って可愛いものだと思います。どんなに勉強ができても、友だちができるかな?、勉強についていけるかな?なんて、今も昔も、みんなドキドキしながら、旅立っていくのだと思います。

 富山に残る生徒は、なんか安心して、ホッとしています。やはり、富山はいいところ。第一、何かあっても、私でもできることがあるかもしれないし。でも、他県に旅立って、まあ、いろいろ見てくるのもいいものです。

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