生活の中での知恵と学問的な知恵ー「きのう何食べた?」から
『きのう何食べた?』に登場する弁護士であるシロさんと美容師であるケンジのカップル。
シロさんは、ケンジのちょっとした気遣いや、喧嘩した時の仲直りの仕方、ある意味での人間の大きさをものすごく買っている。
ちょっとした相手に負担にならない程度のお土産をそっと渡すような、それに自分がゲイだということを知られて、でも、だから何?みたいに自分を受け入れているところ。
シロさんだって、それは常識の世界にいれば、体面も気にしなければならないだろうし、それなりに自分の立場から仕方のないこともあるだろうに、ケンジのおかげで自分の小ささと闘っている、という面では十分器が大きいと思う。
シロさんは、弁護士だけれど、本当にクライアントの気持ちに寄り添っているし、悪ぶってるけど、結構いい人だ。
マイノリティだからこその弱者への気持ちがあるのかな?と思わされる。
それに、弁護士だからと言って、特別、って感じではなくて、普通の主婦と一緒になって安いものを分け合いっこしてお買い物に必死になってみたり、それはそれは庶民派という感じの弁護士である。
十分に思いやりのある、エリート面なんかしていない、素敵な人だ。
教室の大学受験組の生徒たちは、えらい高学歴ドラマですね!と言っている。
言われてみれば、シロさんが勤める弁護士事務所の所長を演じる高泉淳子さんは早稲田大学の社会学部、シロさん演じる西島秀俊さんは横浜国立大学の工学系、ケンジ演じる内野聖陽さんは早稲田大学の政治経済学部に在籍されていたのだから。
きっと私が何かの折に話したのだろうな。
そういうつながりとしてみたことがなかった。
そこは大学受験を控えた生徒たちは、無関心ではいられないのだろうな。
ところが私ときたら、先日観ていた、ケンジが作るオムライスが、それはそれはおいしそうで、今日のお弁当はオムライスとチキンスープにしてしまった。ケンジが好きなのだ。
内野さん演じるケンジは私も大好きだ。
正直、昔大好きだった、薬師丸ひろ子ちゃんと共演していた『ミセス・シンデレラ』のときにハマっていた指揮者役よりずっといい。
ということで、私は生徒に言ってしまった。
内野さんの一番の当たり役って、ケンジさんじゃないかと思うのよね!
私、あの、ほかの演技、あまりピン!と来ないことが多くて・・・。
西島さんもイマイチ・・・。
なのに、あの二人、シロさんとケンジにはハマってるからおかしくておかしくて。
シロさんとケンジをいつまでも見ていたいなあ。