旅立ちの日に・・・。
今年の受験は、自分でも納得のいくものが多く、久しぶりに教師としての誇りや自信が戻ってくると同時に、教師にどうすることできないこともある、ということを、やっと心情的に受け入れることができたのも今年である。
かつて初任の高校で、
教育は植物を育てるのに似ている。
相手はものを言わなくても、こちらはお水をやったり、肥料をやったり、あるいは話しかけたり、世話をする。
いつ、花が咲くかわからない。
それは10年後のこともあるけれど、でも、倦まずたゆまず指導していくのが私たち・・・、と。
たかが私塾かもしれない。
でも、今年は、何度か生活指導的に怒鳴った。叱りつけた。
それもお母さまの前で。
あなたね!
それは、もちろん、私の身体からほとばしるほどの感情であったこともある。
なんとかしたい。この子を。
かつては冷静で、どこかで醒めたところがあるべきだ、と思っていた。
でも、反対に、その子を思って感情的に叱れなかったら、それはダメだ。
かつて同僚が言ってくれた。
櫻井先生は、厳しいかもしれないけど、ちゃんと感情で叱るからいいですよ。
だいたい、理屈で叱る教師は、あれはダメだ・・・。
エッ!?
生徒たちは、私のことを感情的だとは思っていないようだ。
でも、その同僚の言ってくれた言葉の意味が、今わかる。
ダメだよ!とその子を思って、感情的にもなれなければ、それは人間ではない。
心の底から叱ってくれる相手を、子どもたちも見分けている。
叱ったことは、全部良い方に転んでくれた今年の受験指導。
だから、受験指導からはたくさん学ばせていただける。
教師はいつも岐路に立たされ、一種の賭けに出なければならない。
今のこの生徒さんに、これを言って通じるだろうか・・・?
そんな想いで、その子に合わせた時期に、叱る。
褒めてばかりではない。
待つだけ待つ。
でも、ここ一番!というときには、渾身の力を込めて叱る。
全員いい子でしっかりと受け止めてくれた。
いや、教育に完璧などない。
また、それを求めてもいけない。
未来があることをときに頼りにしなければ、いい教育はできない。
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