慶応義塾大学の英文読解
- Mayumi Sakurai
- 4月30日
- 読了時間: 4分

今年の高3の大学受験生は理系男子。
理系だから、「もちろん」国公立大学に合格していただかなければならない・・・。
それは当然学費の問題もあり、ここは母のように、当然のごとく入学してからのことをお節介にも考える。
そして、受験生の模試の結果を分析し、何を先に仕上げなければならないかという戦略を練っている。
数学はまだまだ息長く仕上げていかなければならない。
国語は夏に短期決戦で素地を固め、まあ、良い調子なので、得点源になるようにしておいて、後は直前に特講でもやれば取ってこれるだろう。
理科はそれぞれ今頑張っているので、地理は、声掛けはするし、課題も出すし、テストもするが、解説しなければならないほどのことはなさそうなので(時間があればしたいのはやまやまであるが。)、ということは夏までに、完璧に仕上げなければならないのは、ここ数年、問題の処理能力面での実力が試される、英文であろう・・・、と二次試験まで通用する力をつけておくことにする。
一学期が始まる頃に、まずは英文で鍛える旨を、模試の結果を見ながら話し、ここのところ、彼らはあれこれ厳しいことを言われながら、そして、私は、演習している彼らの前で、ケラケラ文章を読んで大笑いしながら、さっさと問題を解いて、丸付けをし、シュワンシュワンと赤ペンで丸を付けて、
そうそう難しい問題でもないわね!
と嫌味タラタラに言っている。
そして、いつもより、深めの解説をする。
昨日、最後の問題は、慶応義塾大学の英文読解だった。
最近までは、彼らは、公立大学の問題を解いても、
何言ってるかわかってるの!?
という答えを書いていたりしていたので、ちょっと事柄的でない問題に取り組んでみようと思ったのである。
もちろん自学自習に偏ってできる偉大な受験生もおられることだろう。
でも、この思考の深さを求められるような読解の深さを必要とする出題への対策が、およそ一人の力でできるとは思えない。
しかも、理系男子である。文系の論文のような出題もある。性格心理学的なものもあれば、環境問題から経済学へと移行するような問題もある。
昨日は、中国における生息するパンダの減少から、環境問題、そして経済面への影響に関する文章を読んだ。
経済は大好きである。
当然に熱が入る。
その論理の筋道をわかってもらうためにあれこれ実例を出しながら、語る。
昨日の話は本当におもしろそうに聞いてくれた。
なんでも、AIの力で、ある一定の偏差値の大学の大学受験問題は解くことができるらしい。
ところが、やはり、東大や京大になると、太刀打ちできないということである。
おそらくは、早慶の問題や、旧帝大などの問題は無理だろうと思う。
かつて人工知能についての本を、東大受験の生徒さんの英文読解、英作文や英文和訳をお付き合いした際、その生徒さんの目指す分野であり、また出題内容にも反映されていたので、読んだときに、人工知能の仕組みについて、若干の知識を得た。
私などのような、文系の人間であっても、
そりゃあ、無理だよな・・・。
と思わされた。
人間の思考や感情を辿るには限界がある。
それを埋めるのが私たちの仕事であり、また、対面での指導の良さであり、本人たちの独学では太刀打ちできないところであると思う。
意外に、かつてのセンター試験の方が、まだ国語といえども独学で何とかなったと思う。
パターンが非常にきれいに決まっていたからである。
誰にでも突破する可能性があった。
しかし、共通テストの英語や国語の出題を見ていると、そのパターンにはめることが難しい。東大生でも時間を掛ければ満点を取れる、という代物である。
だからこそ、チェリーに通ってくれている目の前の受験生たちには、ちゃんと思考の深さを身につけておきたい。
それが私の使命であるし、それが教室に通うことの大きな意味である。
詰め込みの勉強で太刀打ちできる受験じゃない。
ちゃんと思考力を磨いておかなければ・・・。
それに、その文章を読んで、少しは感じる心がいる。
要するに、
パンダの頭数が減少する理由は、何か?
そして、
そのことを解決するには、何を理解し、どういう問題を解決しなければならないのか?
ということを、ちゃんと心で受け止める力が必要なのである。
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