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子を思う親の闇とは・・・。ー悲し、愛し(かなし)という言葉と。


今日、高3の共通テスト対策の国語の古文で、擬古物語を読み、

「子を思う親の心の闇」という表現を扱い、まあ、問題の解説とはちょっと外れてどういう心情化ということと語源の話などをしました。


古文を指導していると、時に日本語というのはよくできているなあ、と思わされます。


退職して1年も経たずに私は娘を出産しました。

自分でも思っていなかったほど早く母親になりました。

お腹にいるときはもうすぐ会える、というようなことをあまり実感として持ってはいなかったのに、生まれた娘を見た途端、もう可愛くて可愛くて仕方なくなりました。

この子がこれから育っていく・・・。

大学を出て社会人となり、結婚した自分が目指すところって何だろう?と人生もそこで止まったかのような感じだったのに、娘の存在が、大きくて、ああ、これからこの子が幼稚園に行って学校に行って・・・、と自分の人生がそこから先が末広がりに明るく燦燦と太陽の日差しを浴びているかのように感じられたのでした。


生まれたての娘を抱いて、ちょうど娘のおでこのところが私のあごに当たります。

そうするとまるでビロードに触っているかのように滑らかでした。

毎日毎日娘を抱っこしていると、ある日とんでもなく愛しくなって、じんわりと泣けてきました。


その時に、古文の『愛し』という言葉が、『悲し』と同じ読みであることの意味を不意に悟りました。

私の心が打ち震えて、まるでプルプルするみたいにじわじわ感情が広がったのです。

「かなし」という、心が打ち震える様子を表す形容詞の、悲しいという方が現代語に残りましたが、間違いなく愛しいのと悲しいのとは同じ感情がもとにあるのだと思います。


他県から嫁いできた私にとって、また夫の仕事がまるでわかっていなかった私は戸惑うことも多く、毎日が自分の心との闘いでした。それに加えて、すぐには気候に馴染めず、初めての土地に来て、雪の降る日の朝は起き上がれないこともありました。

ごめん・・・。起きれない。

と言って一人で支度して出勤してもらった後、なんだか変だ、と思ってみたら、外は雪が降っていたということがありました。

湿気が多くて除湿器がいるということもそうそう理解できてはいませんでした。

そんな中の子育てだったから、随分子どもたちにも悪いことをしたなあ、と思われることがたくさんあります。


何をするにも勝手が違うのです。

もちろん価値観も違いました。

それに誰もそのことについて教えてくれる人もいませんでした。

馴染もうと努力する自分しか頼ることができませんでした。

そんな中を乗り切った自分は力が着いてよかったと思うし、もう一度同じことをしなさいと言われたら、それは知ってはできませんが、若いころの苦労はしっかりと身についています。そのことに対する誇りもあります。

ただ、子どもたちにちゃんとしてやれなかったことっていつまでも覚えているものです。


娘の担任の先生が素敵な女性の先生で、芸術家の先生だったので感性の豊かな先生でした。

ちょっと弱っていた自分のことを話してしまったときに、

お母さん、弱いところを見せるのも教育ですから・・・。

と言ってくださいました。


至らない母親。

仕事をしているときは気が紛れるけれど、お休みの時などは、この子たちどうなるのだろう・・・?とどれだけ心配していたかしれません。

私はきちんと教育できているのだろうか?

将来も進路も不安になってみたりもしました。

何がしあわせなのだろう?

今でもこのことは考え続けています。

あれもしてやりたかった、これもしてやりたかった。

そんなことばかりが思い出されます。


娘も息子も、もう私が初めて母親になった年齢を過ぎました。

たとえどんな子育てをしようともきっとハラハラしながらも、よくやってるなあ・・・、としか思えないでしょう。

なにせ初めてなのですから。

それは自分にはなかなか適用できないものです。

至らなかったことばかりを思い出します。

もう少し上手にピアノを教えられなかったものか?

私がもう少し強かったらよかったのに・・・。いやこれはうちの塾生に言ったら呆れられると思いますが、母親としてと教師としてとは全く違うものです。同じ一人の人間でも。


愛しい愛しい娘を産んで、ものすごくしあわせになった日から、本当に大きな心配事を抱えたとも言えるもので、一生親の心配はなくなりません。


本当に、『子を思う親の闇』とはよく言ったものです。

ああこれでよく人様のお子様をお預かりし、偉そうにも指導し面談もできるものだわ。

同一人物かしらん?

と思ってしまう私です。

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