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ベビー・シューズの思い出


まだ。若かったころ、本当に生活のやりくりが大変だった。

上の娘が生まれたこと、本当に、まだ結婚して間がなかったこと、そして、夫が若いのに堅実であったから、子育ての現実にまで想いが至らなかった面もあっただろう・・・。


実家の母が、初孫の娘のために、大好きな洋裁(これは私も母から受け継いだ。)で、たくさん可愛いお洋服を作っては送ってくれた。

それでも、なかなかしてあげたいことがしてあげられなくて困ったものだった。

そうそう、母と妹で、一緒におもちゃを送ってくれて、センスのある妹など、好きなブランドを選んでは、おもちゃを送ってくれた。

なんて言うんだったっけな?

あのひよこみたいな柄の・・・。

上下で赤いのを着せて、髪を二つくくりにして、それはもう、ポンポンを持たせたらチアガールそのものだった。トレーナー前面には、ひよこだったかな?

可愛かった。


こちらの一族で、旅行をすることになった。

ピンクのニットのワンピースを着せてあげようと思うけれども、素敵な靴がなくて、探しに探した。

もちろん、値段との相談。

そのころは、まだまだ大阪人よろしく、少しでも値段が安くて、いいものを探し、「これ、いくらだったと思う?」と言っては安く買ったことを自慢するということをしていた。

一生懸命に探した。

白い靴かピンクがいいかしらん?

そこから抜け出せなかった私の前に、パープルの靴が目に入ってきた。


一度家に帰って、電話で母に相談。

「それ、いいんとちがう?」

と言われて買ってきて、合わせてみたら、バッチリだった。


これでできあがり。

そうか・・・。

まだはっきりと言葉がしゃべれないと思っていた娘は、父と母の話を聞いて、旅行の準備をしていたと思っていたけれど(自分のバッグにお気に入りのキティーちゃんのお人形を入れて、しっかり旅行に行く気分でいた。)、そりゃあ、自分を引き連れて、あちこち自分の靴を選んでいる母や、大阪のおばあちゃんと打ち合わせをしている様子を聞いていたら、いくら幼くても気づきもしただろう・・・。

でも、私は私で、あれこれ言われることを恐れて、こちらのお義母さんに相談することもしない、ある意味可愛くない嫁だったな、とも思ってみたり・・・。(笑)

お墓参りのときに、たまたまポシェットのような黒いバッグを持っていたら、「それ、お葬式用のじゃないが?」と注意されたことなどが、きっと気になっていたのだろう。むしろ謝恩会で持っていった地味だけれど、ビーズ刺繍のある素敵なバッグだった。

若いなりに気にしてしまっていたんだな。

それがあったからこそ、絶対に富山のしきたりから外れないように気を付けるようになったのだけれど。


ただ言える。

若かったけど、精一杯子育てして、それを楽しもうとしていたこと。

プーさん好きの娘のために、プーさんのシャンプーを買うために、遠いドラッグストアまで自転車で出かけたこと。

それが、車社会の富山県では、結構笑われる要素だったこと。

大阪ではママチャリライダーが、活躍してるけど。

札幌でも割とそうだった。

運転免許を持って、軽自動車を持ってくるのがしきたり、と何度も言われたけれど、ピアノを弾いて、先生になる?という選択肢を持ちながら、ピアノを持ってきて、弾いていた私・・・。

本当に実用と趣味、みたいな話。


忘れていたけれど、いろいろあったな。

今では、普通車(コンパクトカーだけど。父の闘病の時には大阪まで走らせた。ふふん!)に乗れるようになって、そうだ!

もっと大型の車に乗れるようになったら、ちょっとは褒めてもらえるかしらん?(笑)

そういうする気もないことを言い出すところも私だけれど。

昔からジープには載ってみたかったけど・・・。


先日の新入塾生の面談で、あれこれ考えさせられてしまったなあ・・・。

素敵なお母さまと、おばあさまとの出会いから・・・。


子育ては終わってしまえば素敵な思い出になる。

ちょっぴり苦労したことも、あれこれ工夫したことも。



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