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せっかくなのになあ・・・。


今日、実は業者さんとの打ち合わせ期限だった。

どうしても、ある場所のデザインを変えてもらいたくて、でも、ときは大学受験と期末考査対策の真っただ中。

もう、毎日、睡眠時間確保と、数分のお弁当作りに必死になっているときである。


期限を特別に延長してもらった、今日になって、私は、そのデザインの提出の仕方を相手の業者さんに電話している始末。

相談にも根気強く乗ってくださり、どうすればいいか、ということの指示の出し方も教えていただいた。


それからラフ案を作ること、数十分。

ファックスで送ることができたが、添付ファイルにしたいのに、コピー機からのスキャンが送れない。

またまたである。


そこで、インターネットでお世話になっている会社に連絡したけれど、しばらくして、複合機をほかの会社に替えたことを思い出し、その旨回答をもらった。

それと同時に、新しい業者さんに連絡を取って、もし先の業者さんが対応してくれなかったときのために先に対応しておいた。


先日から、ある意味印象の悪いことの続いた、業者さん。

ここで、させていただきます・・・。今までの付き合いもあるから。

それにご迷惑もかけたので・・・。

と言えば、印象も変わるだろうに、ものすごくもったいない対応だなあ、と思った。


どこかで無理をしてでも対応しておいたら、樹形図的に顧客も増えるかもしれない。


そして、新しく入ってくれた業者さんは、快く対応してくれることになった。



つい、『十訓抄』の中の藤原行成の忍耐を書いた文章を思い出した。

ある日、突然殿上の間で、実方中将がいきなり行成の冠をパーンと打ち落とし、そしてそれを庭に投げ捨てた。

された側の行成は、冷静に処し、主殿司を呼んで、持ってこさせ、きちんと冠をかぶり、髪の毛を整え、それから言うのである。

「いきなりこのような仕打ちをされる覚えがありません。きちんと理由をおっしゃってからのことではございませんか?」

きまりが悪くなった実方中将は、逃げてしまった。


その事件を、そっと見ていた帝が、行成を、大抜擢し、蔵人頭にする。そして、実方を国司として左遷するのである。


1人は不忍によりて前途を失い、そして、1人は忍を信ずるに寄りて褒美にあへる・・・、と書かれている。


我慢した方が勝ち。

その場は小さな負けでも、頭を下げる方がいいし、冷静さを失わない方がいいのだなあ、と思う。


ほんの少しの我慢が、大きなラッキーを連れてくることもあるのになあ、と思う。

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